Interview

加藤 勇 / CTO

加藤勇

役職:CTO

経歴:

九州工業大学在学中より九工大衛星開発プロジェクトに参画し、PMとしてミッション要件の整理、開発計画策定、サブシステム間の調整、レビュー運営、試験計画の取りまとめなど、衛星開発を横断的に推進。Kick Space Technologiesには創業初期からインターンとして参画し、開発プロセスの立ち上げから実装・検証までを一気通貫で担当。現在はCTOとして、技術戦略の策定、開発組織の推進、プロダクトの品質・信頼性向上を担っている。

Q:これまでの経歴と現在の活動について教えてください

工業高校の出身で、高校時代は「電子技術・修理同好会」に所属し、缶サイズの模擬人工衛星『CanSat』を製作する課外活動に打ち込んでいました。

現在はKick Space TechnologiesのCTOとして、技術部門全体の責任者を務めています。自社衛星システムの改良・アップデートを中心に、プロジェクトの計画立案から、回路およびソフトウェアの設計、機能試験といった技術的な実務に加え、エンジニアチームのマネジメント、顧客や協力企業との折衝まで幅広く統括しています。

Q:宇宙に興味を持ったきっかけと、進路選択の経緯を教えてください

高校時代の同好会の活動でCanSatを開発し、「種子島ロケットコンテスト」に出場したことが原点です。大学生が中心の大会において、当時唯一の高校生チームとして参加しました。その経験を通じて、大学レベルの高度なものづくりの面白さに触れ、本格的に宇宙工学を学びたいと考えるようになりました。

九州工業大学の宇宙システム工学科へ進学した理由は、高校時代に同校の超小型衛星試験センターを見学したことです。同校へ進学した先輩の案内で最先端の衛星開発の現場を目の当たりにし、その優れた研究開発環境に強く惹かれて推薦入試を受けました。入学後は迷わず衛星開発プロジェクトに参画しました。

Q:衛星開発プロジェクトではどんなことをされていたのですか?

実際の宇宙空間で運用される衛星を開発し、打ち上げまで一貫して担う実践的なプロジェクトで、私はプロジェクトマネージャー(PM)を務めました。

メンバーの多くが未経験という状況の中、私自身も手探りではありましたが、スケジュールやタスクの進行管理に加え、JAXAの安全審査を通過するための技術文書の作成や折衝といったマネジメント業務全般を担当しました。

さらに、PMと並行して通信系の主担当も兼務しました。通信機の動作検証や他サブシステムとの統合、アンテナ展開試験、電波暗室でのアンテナパターン測定などを実施したほか、システム全体を管理するためのICD(インターフェース管理文書:ピンアサインや基板形状の規定など)の作成、ミッション系や電源系の技術サポートにも奔走しました。

Q:プロジェクトでの経験や学びについて教えてください

学生主体のプロジェクト特有の課題として、メンバーのモチベーション管理の難しさがありました。業務のような強制力がない中で、いかに自発的なコミットメントを引き出すか。個々の意欲に合わせたタスクの采配やチームビルディングの経験は、現在のCTOとしてのマネジメント業務においても大いに活きていると感じています。

また、私自身が寝食を忘れて衛星開発に没頭する中で、「まだ本当に成し遂げたとは言えない。この経験を糧に、宇宙産業の第一線で本格的に勝負したい」という強い覚悟が芽生えました。その思いが、当社の創業期に飛び込む直接的な契機となりました。

Q:インターンで働いてみて感じていること、今後やりたいことを教えてください

当初から現在に至るまで実感しているのは、組織や開発体制が徐々に構築されていく面白さです。チームが拡大し、パートナー企業との連携が深まり、ものづくりの環境がスケールしていく過程には大きなやりがいを感じています。

今後の事業拡大に向けて、より多くの高度な開発案件に対応できるだけの「組織的なキャパシティの拡張」が急務だと捉えています。

現在は既存の衛星システムの強化を進めつつ、ハードウェアの回路設計から次世代のソフトウェア開発、さらには新たな人工衛星の概念設計まで、計画・設計・試験のあらゆるフェーズを牽引しています。今後も当社の衛星開発事業を大きく前進させ、社会に広く貢献していきたいと考えています。

Q:どんな人に来てほしいか、応募を考えている方へのメッセージをお願いします

私たちが求めているのは、何よりも「ものづくりそのもの」に深い情熱を持ち、バックグラウンドとなる技術基盤をお持ちの方です。

衛星開発は、地上での製品開発とは異なる制約や難しさが多々あります。しかし、ハードウェア・ソフトウェアの設計における本質的な面白さは共通しています。異業種で培われた設計・開発スキルを、宇宙という未開拓のフィールドでどう活かせるか。そこに挑戦することに知的好奇心を感じるエンジニアの方と一緒に働きたいと考えています。

宇宙開発の現場には、まだ確立されていない手法や、現場の創意工夫で突破すべき課題が山積みです。ご自身の技術力で、衛星という精密機械をゼロから組み上げていくリアルな手応えを、ぜひ当社で体感してください。共に宇宙産業のスタンダードを創り上げていける方のご応募を、心よりお待ちしています。